バイク事故で後遺症を負った場合に請求できる内容と金額を徹底解説

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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

バイクは運転手の体が露出しているために、交通事故により後遺症が残るような大きなケガを負う可能性が高いといえます。

後遺症が生じるような大きなケガでは加害者に高額な請求を行えることが多いのですが、金額が高額なほど加害者の抵抗も大きくなりやすいでしょう。

そのため、適切な請求手段や相場額を知っておかないと、お金を取り損ねる恐れがあるのです。

本記事では、バイク事故でよく生じる後遺症の内容や、後遺症が生じた場合に行うべき手続きを紹介しているので、バイク事故で後遺症が残った方は是非ご覧ください。

バイク事故でよく生じる具体的な後遺症

交通事故により生じる後遺症の全てが補償の対象となるわけではありません。
後遺症の症状が後遺障害に該当するという認定を受けることが必要になります。

後遺障害は障害の程度に応じて等級が定められており、認定された等級に応じて請求できる内容や金額が異なってくるのです。

バイク事故においてよく生じる後遺障害の症状を、受傷部位や内容ごとに説明していきます。

むちうちによる後遺症

むちうちとは、追突や衝突の際の衝撃で首に強い負荷が生じることで首の痛みや、手足のしびれ、麻痺といった症状が発生する傷害をいいます。

医学的には、頚椎捻挫や外傷性頚部症候群と診断されるでしょう。

むちうちの多くは3ヶ月程度治療すれば完治することが多いのですが、損傷が激しい場合には後遺症が残るケースがあります。

むちうちによって生じうる後遺障害の症状と等級は以下の通りです。

等級症状
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号局部に神経症状を残すもの

症状の存在を検査画像や神経学的検査の結果といった証拠から他覚的に証明することが必要となります。

特に、検査画像が重要な証拠となるため、事故後なるべく早い段階でレントゲンやMRIなどの検査を行ってください。

神経障害は症状の発生が外からはわかりずらいため、後遺障害の認定も難しくなります。

むちうちが後遺障害認定を受ける方法については『むちうちで3ヶ月通院。慰謝料相場と計算方法、請求のポイントを徹底解説!』の記事を確認してください。

頭部の傷害による後遺症

バイクは自動車と違い運転手の体が外に露出しているため、事故の衝撃で身体が投げ出されることで頭部に強い衝撃を受け、頭部外傷が生じる可能性があります。

頭部外傷により脳そのものに傷ができるという脳挫傷が生じると重篤な後遺症が残る可能性が非常に高くなるでしょう。

特に生じる可能性が高い後遺症として、高次脳機能障害と遷延性意識障害があげられます。

高次脳機能障害について

高次脳機能障害とは、学習により鍛えられる言語能力や空間認知能力などの高次脳機能が欠如することで、記憶力や集中力の低下や、攻撃性が増すといった人格の変化が生じるなどの症状が発生する後遺症です。

高次脳機能障害の症状

高次脳機能障害により生じる後遺障害の症状や等級は以下の通りとなります。

要介護の場合における後遺障害等級

等級症状
1級1号生命維持に必要な動作について常時介護が必要なもの
2級1号生命維持に必要な動作について随時介護が必要なもの

要介護ではない場合の後遺障害等級

等級症状
3級3号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
5級2号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務の外服することができないもの
7級4号神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務の外服することができないもの
9級10号神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号局部に神経症状を残すもの

症状がどの等級に該当するのかについては、以下の4つの能力がどの程度喪失しているのかということから決まります。

  1. 意思疎通能力(職場においてコミュニケーションをとれているか)
  2. 問題解決能力(作業内容を理解し円滑に業務が遂行できるのか)
  3. 作業負荷に対する持続力、持久力
  4. 社会行動能力(職場において円滑に共同作業を行えるのか)

12級13号、14級9号については、上記の4つの能力が労務に影響するほど喪失していないものの、高次脳機能障害により4つの能力がある程度喪失していると証明できれば認定されます。

遷延性意識障害

遷延性意識障害とは、脳が重度の障害を受けたために意識を失い、意思の疎通が全くできない状態が長期間続くという後遺症です。

いわゆる植物状態であり、以下の6つの条件を満たしたうえで、回復の見込みがないまま3ヶ月以上経過した場合をいいます。

  1. 自力移動不可能
  2. 自力摂食不可能
  3. 糞尿失禁状態にある
  4. 声は出るが意味のある発言はできない
  5. 簡単な命令にしか反応しない
  6. 眼球が物を追うが認識はできない

常に介護が必要な状態のため、以下の等級に該当します。

等級症状
1級1号生命維持に必要な動作について常時介護が必要なもの

胸腹部臓器の傷害による後遺症

バイクの交通事故では、事故の衝撃で体が前に押し出され、バイクのハンドルに胸部や腹部を強打することがあります。

その結果、内臓が損傷し、内臓機能に障害が発生する可能性があるのです。

胸腹部臓器により生じる後遺障害の症状と等級は以下の通りとなります。

要介護の場合における後遺障害等級

等級症状
1級1号胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し常時介護が必要なもの
2級1号胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し随時介護が必要なもの

要介護ではない場合の後遺障害等級

等級             症状
3級4号胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
5級3号胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
7級5号胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
7級13号両側の睾丸を失ったもの
9級11号胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当程度制限されるもの
9級17号生殖器に著しい障害を残すもの
11級10号胸腹部臓器に障害を残し、労務の遂行に相当程度の支障があるもの
13級11号胸腹部臓器の機能に障害を残すもの

臓器ごとにどのような症状が生じると、どの等級に該当するのかが定められています。

手足の傷害による後遺症

交通事故によりバイクの運転手が手や足に傷害を負い、手指の欠損、関節の可動域が制限、骨折した骨が変形してしまうといった後遺症が残ることがあります。

特に細かく種類分けされている可動域制限による機能障害の症状と等級は、以下の通りです。

等級症状
1級4号両上肢の用を全廃したもの
1級6号両下肢の用を全廃したもの
5級6号一上肢の用を全廃したもの
5級7号一下肢の用を全廃したもの
6級6号一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
6級7号一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
8級6号一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
8級7号一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
10級10号一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
10級11号一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
12級6号一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
12級7号一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの

上肢の三大関節とは肩関節、肘関節、手関節を、下肢の三大関節とは股関節、膝関節、足関節をいいます。

三大関節が強直して動かない状態にあるのか、動くにしてもどの程度可動域が制限されているのかにより等級が異なってくるのです。

可動域の制限については可動域検査を行い、正常に動く側との可動域の違いや、人工関節や人工骨頭を挿入置換した関節の可動域がどの程度制限されているのかということから判断されることになるでしょう。

欠損や骨の変形は、実際に欠損や変形が生じていることを示す検査画像から判断してください。

具体的な症状と認定される等級などについては『交通事故の骨折で後遺症が残ったなら慰謝料はいくら?症状ごとに解説』の記事で確認できます。

顔面の傷害による後遺症

バイクの運転手が転倒して顔面部を地面にぶつけてしまい、傷跡が残るという後遺症が生じることがあります。

特に、ヘルメットがフルフェイスではない場合には、重篤な後遺症が残る可能性が高いでしょう。

顔面部分の傷による後遺症は醜状障害と呼ばれます。
醜状障害のうち後遺障害として認められるのは、顔面部分に目立った傷跡が残るという外貌醜状です。

具体的な症状と等級は、以下の通りになります。

等級症状
7級12号外貌に著しい醜状を残すもの
9級16号外貌に相当程度の醜状を残すもの
12級14号外貌に醜状を残すもの

顔のどの部分にどの程度の大きさの傷跡が残っているのかで等級が異なります。

また、顔面部分のケガにより視力の低下や食べ物の咀嚼がうまくできなくなるといった後遺症が生じることもあるでしょう。

バイク事故で生じ得る後遺症

  • 後遺症の症状が後遺障害に該当すると請求できる内容や金額が増加する
  • むちうちも後遺障害に該当する場合がある
  • 頭部、臓器、手足などの部位に後遺障害が生じることが多い
  • 顔に大きな傷が残ったということも後遺障害に該当する場合がある

バイク事故で後遺症が生じた場合に行うべき手続きを紹介

後遺症が生じたなら後遺障害等級認定の申請を行おう

交通事故のケガを治療したものの、これ以上は治療の効果が望めないという症状固定の段階となった場合には、後遺症が残ることになります。

後遺症が残った場合には、後遺症が後遺障害に該当することを認定してもらうために後遺障害等級認定の申請を行いましょう。

後遺障害認定を受ければ、請求できる内容や金額が大きく増加するためです。

後遺障害等級認定の申請方法は2つある

後遺障害等級認定の申請をするには、以下のような2つの方法があります。

事前認定

後遺障害等級認定の申請に必要な書類を加害者が加入している任意保険会社が集めたうえで申請を行う

被害者請求

後遺障害等級認定の申請に必要な書類を被害者自身が集めたうえで申請を行う

書類の提出先や基本的な流れに変わりはありませんが、誰が主体となって書類の収集を行うのかという点に違いがあります。

事前認定の方が書類を集める負担がないため被害者にとっては楽ですが、任意保険会社は加害者側のため、適切な書類を集めてくれるとは限りません。

また、事前認定では示談が成立するまで後遺障害が認定されたことで得られる慰謝料が支払われませんが、被害者請求なら後遺障害認定を受けた時点で自賠責保険分の慰謝料の支払いを受けることが可能です。

そのため、後遺障害の発生が明らかであり、慰謝料の支払いをすぐには求めないなら事前認定を、後遺障害の発生が不明確、または、早期に慰謝料の支払いを受けたいなら被害者請求によるべきでしょう。

申請方法申請すべき人
事前認定1、後遺障害の発生が明らか
2、慰謝料の支払いは示談後で問題ない
3、自力で申請の準備する余裕がない
被害者請求1、後遺障害の発生が不明確
2、慰謝料の支払いを早期に受けたい

事前認定では事前認定により申請を行うことを相手方保険会社に伝えてください。
被害者請求では、必要書類を加害者が加入している自賠責保険会社に提出することになります。

書類を提出してからおよそ1~2ヶ月程度で、審査結果が通知されるでしょう。

後遺障害等級認定の調査にかかる期間について

申請のために必要な書類と注意すべきポイント

後遺障害等級認定のポイント

後遺障害等級認定の審査は原則として書類審査になります。

そのため、後遺障害に該当する症状が生じていることを書類により客観的に証明することが必要です。

特に、以下の書類に記載されている内容が重要となります。

  • 医師が作成する後遺障害診断書
  • 画像検査の結果を示した書類
  • 症状発生の検査結果を示した書類

そして、上記の書類の内容については、以下の点に注意してください。

  1. 後遺障害診断書に回復の見込みがあるといった記載がないこと
    症状が一時的なものではなく、継続的、慢性的なものでなければ後遺障害に該当するとはいえないためです。
  2. 画像検査が事故から時間が経過してから行われたものでないこと
    事故から時間が経過した時点の画像では、事故以外の原因で後遺障害が生じていると判断される恐れがあるためです。
    なるべく事故直後に、病院において画像検査をおこないましょう。
  3. 検査結果と考えられる症状が一致していること
    検査結果と事故の内容や治療経過から残存するはずの症状が一致していないなら、交通事故以外に後遺障害の原因があると判断される恐れがあります。

後遺障害と認定されるための方法

  • 後遺障害と認定されるには後遺障害等級認定の申請を行う
  • 申請の方法は事前認定と被害者請求の2通り
  • 審査は原則として書類審査のため適切な書類を集めることが重要

バイク事故で後遺症が生じた場合に請求できる内容と金額

請求できる内容一覧

後遺症が後遺障害に該当するという認定を受けた場合には、以下のような慰謝料や損害を請求することが可能となります。

請求できる慰謝料一覧

  • 入通院慰謝料
    入院、通院することで生じる精神的苦痛に対する慰謝料
  • 後遺障害慰謝料
    後遺障害の症状により生じる精神的苦痛に対する慰謝料

請求できる損害一覧

  • 治療費
  • 入通院するための交通費
  • 入通院中の付添費用(付添が必要と認められた場合)
  • 入院雑費(日用雑貨や通信費用など)
  • 休業損害(治療により仕事ができないことによる損害)
  • 逸失利益
  • 将来の介護費用(介護が必要になる程度の後遺症である場合)
  • 物損に関する費用(バイクの修理費用)

上記のような慰謝料や損害額を合計し、示談金としていくら支払うのかということを示談交渉において決めることになります。

一度決められた示談は原則として取り消すことができないため、示談金を計算する際に請求できる項目に漏れがないよう気を付けてください。

入通院慰謝料の計算方法を詳しく知りたい方は、『交通事故の入通院慰謝料は通院日数が多いほど高額?ベストな通院日数を紹介』の記事で確認できます。

具体的な休業損害の金額について知りたい方は、『交通事故の休業損害|職業別の計算方法や請求方法、いつもらえるかを解説』の記事をご覧ください。

後遺障害慰謝料の金額

後遺症が後遺障害に該当すると判断された際に請求できる後遺障害慰謝料は、障害の程度に対応して認定される等級により金額が異なります。

等級ごとの後遺障害慰謝料の相場額は以下の通りです。

等級 相場額
1級・要介護2800万円
2級・要介護2370万円
1級2800万円
2級2370万円
3級1990万円
4級1670万円
5級1400万円
6級1180万円
7級1000万円
8級830万円
9級690万円
10級550万円
11級420万円
12級290万円
13級180万円
14級110万円

最も低い等級であっても100万円を超える慰謝料請求が可能となるので、後遺障害等級認定の申請をしっかりと行ってください。

後遺障害が生じた被害者が事故のケガを原因として死亡したという事案では、後遺障害慰謝料ではなく、死亡慰謝料の請求を遺族が行うことになるでしょう。

死亡慰謝料の金額は配偶者や扶養者の有無といった家庭内での立場という属性から決まります。

死亡慰謝料の相場額については、『交通死亡事故の慰謝料相場と計算方法|遺族が請求できる損害賠償金』の記事で確認してください。

逸失利益の計算方法

逸失利益とは、後遺障害により以前のように仕事ができなくなり、今後得られる収入が減少するという損害をいいます。

逸失利益の説明

逸失利益の計算方法は、就労者と年齢のために働けない若年の未就労者で異なり、それぞれ以下の通りです。

就労者の逸失利益

基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間の年数に対応する中間利息控除に関するライプニッツ係数

若年の未就労者の逸失利益計算式

基礎収入×労働能力喪失率×(労働能力喪失期間の終期までの年数に対応する中間利息控除に関するライプニッツ係数-就労開始年齢までの年数に対応する中間利息控除に関するライプニッツ係数)

それぞれの項目の算出方法を解説します。

基礎収入の算出方法

基礎収入は会社員であれば事故前の年収、自営業者であれば基本的に所得申告額から判断することになります。

実際には収入のない主婦や子ども(学生)については、賃金センサスをもとに基礎収入を算出してください。

基礎収入の算出方法

職種基礎収入
給与所得者事故前の年収
自営業者事故前の申告所得額
主婦(主夫)症状固定の年の賃金センサス全女性の平均賃金
学生症状固定の年の賃金センサス学歴計全年齢の平均賃金

賃金センサスの金額

年度主婦(主夫)学生(男、大卒予定)
2017377万8200336万200
2018382万6300342万5800
2019388万341万2900

2016年以前や、高校卒業予定者などの賃金センサスにおける年収を知りたい場合には、『厚生労働省のホームページ』にて閲覧可能です。

主婦の逸失利益に関して詳しく知りたい方は『主婦も交通事故の慰謝料がもらえる!相場の計算方法や休業損害を解説』の記事を確認してください。

学生の逸失利益に関しては『学生でも後遺障害による逸失利益を請求できる|計算方法がわかります』の記事で詳しく紹介しています。

労働能力喪失率の算出方法

労働能力喪失率は、認定された後遺障害等級に応じて以下のように異なります。

等級労働能力喪失率
1100%
2100%
3100%
492%
579%
667%
756%
845%
935%
1027%
1120%
1214%
139%
145%

労働能力喪失期間の算出方法

原則として、これ以上は治療の効果が望めないという症状固定の判断がなされた年を始期として、67歳を終期とした期間になります。

被害者が高齢者の場合には、67歳までの期間と平均余命を2分の1にした期間のうち長期になる方を採用してください。

平均余命は『厚生労働省のホームページ』で確認可能です。

就労開始年齢は原則として18歳としてください。
ただし、被害者が大学卒業予定の場合には、大学卒業予定時が就労開始年齢となるでしょう。

また、むちうち症の場合の労働能力喪失期間は、後遺障害等級が14級9号なら5年程度、12級13号なら10年程度が相当と判断されるケースがあります。

むちうち症は期間の経過により症状が改善し、痛みに対する慣れにより事故前と変わらない程度に仕事をすることが可能となることがあるためです。

ライプニッツ係数の算出方法

逸失利益は将来発生しうる利益に対する請求です。
そのため、支払いが実際になされると本来よりも早期に利益を獲得できることになります。

獲得した利益からは預金利息といった利益が発生しますが、本来であれば将来得られるはずの利益であるため、控除しなければなりません。

ライプニッツ係数とは、必要な控除を行うために利用されるのです。

就労可能期間や年利により利用される数字が異なります。
2020年4月1日以降に発生した交通事故なら年利を3%に、2020年3月31日以前に発生した交通事故なら年利を5%としてください。

利用すべきライプニッツ係数について

就労可能期間年利3%年利5%
10.970.95
21.911.85
32.822.72
43.713.54
54.574.32
65.415.07
76.235.78
87.016.46
97.787.10
108.537.72
119.258.30
129.958.86
1310.639.39
1411.299.89
1511.9310.37
1612.5610.83
1713.1611.27
1813.7511.68
1914.3212.08
2014.8712.46

自動計算機を使用すれば、相場の慰謝料や逸失利益を簡単に知ることが可能です。
被害者自身で請求を行う場合には、請求金額の目安にしてください。

バイク事故の被害者に過失があるなら請求額は減額となる

交通事故において被害者の過失が存在する場合には、被害者の過失割合に応じて被害者が請求できる金額が減少するという過失相殺が行われます。

当事者それぞれの過失割合については一般的に示談の際に決定されるため、適正な過失割合かどうかを判断できる必要があるのです。

過失割合の認定基準については、別冊判例タイムズ38号という書籍で確認してください。

過去の裁判例をもとにした、事故状況ごとの基本的な過失割合と過失割合が変動する事情が記載されています。

例えば、走行中に進路を変更しようとした自動車とバイクが衝突したという事例の過失割合の判断は、以下の通りです。

進路変更を行おうとした自動車と後続のバイクとの衝突事故
基本的過失割合A20:B80
Aが15km以上の速度違反A+5
Aの著しい過失A+5
進路変更禁止場所であったB+20
進路変更の合図なしB+20

※著しい過失とは、脇見運転や酒気帯び運転などをいう

特に、加害者側は被害者側に有利な事情を適切に考慮しない過失割合を提示する可能性が高いので、過失割合が変動する事実に見落としがないかどうかがポイントになるでしょう。

請求可能な内容と金額のまとめ

  • 交通事故により生じた損害や慰謝料の請求が可能
  • 後遺障害慰謝料の金額は認定された後遺障害等級に応じて決まる
  • 逸失利益は被害者の収入や認定された等級などから金額が決まる
  • 被害者に過失がある場合は請求金額が減少する

バイク事故で後遺症が生じる場合は弁護士に依頼すべき

被害者は損害賠償請求権により慰謝料や損害を請求できますが、後遺症が生じるような大きなケガでは、請求できる金額が高額になる可能性が高くなります。

そのため、加害者側は相場よりも低い金額で解決しようと抵抗してくるでしょう。

加害者側の抵抗に対処しつつ相場額の請求を実現したいのであれば弁護士への依頼をお勧めします。

弁護士に依頼することで生じるメリットや、弁護士費用を安くする方法を紹介しているので、弁護士への依頼を検討している方は参考にしてください。

請求金額が大幅に増額する可能性があります

請求金額の計算方法は立場により異なる

交通事故において請求できる損害賠償金額の計算方法は、請求対象や方法によって異なり、具体的には以下の3つになります。

自賠責基準

被害者が加害者の加入する自賠責保険会社に対して請求した場合に、自賠責保険会社が支払う金額を計算するための基準

任意保険基準

被害者が加害者の加入する任意保険会社に対して請求した場合に、任意保険会社が支払うと提案する金額を計算するための基準

裁判基準

裁判において被害者が請求できる金額を裁判所が判断するための基準
依頼を受けた弁護士が請求する際にも利用されるので弁護士基準とも呼ばれる

上記の3つの基準のうち、裁判基準で計算される金額が最も高額であり、相場の金額となります。

一方、自賠責保険は交通事故被害者に最低限の補償を行うという目的を有しているため、自賠責基準により計算される金額は相場額より低額になるでしょう。

そして、任意保険会社は保険金として自らが負担する金額を少しでも下げるため、任意保険基準からは自賠責基準と同額程度か多少増額した金額が計算されます。

慰謝料の金額は計算基準により異なる

示談交渉は弁護士に任せるべき

交通事故において支払うことになる金額の多くは示談により決定します。

そして、加害者の多くは任意保険に加入しているので、示談交渉の相手方は加害者が加入する任意保険会社の担当者になるでしょう。

担当者は、任意保険基準にもとづいて計算された金額を示談金として支払うことを提案してきます。

担当者の提案額は基本的に相場額よりも低いため、相場額を得たいのであれば増額の交渉を行わなければなりません。

しかし、法律知識が十分でない人からの増額交渉に応じてくれる可能性は低く、経験豊富な担当者の誘導で相場よりも低い金額で示談となってしまい、納得のいく結果にならない恐れが高いでしょう。

弁護士に依頼すれば、法律知識にもとづいた増額交渉を行ってくれます。
専門家からの請求であり、示談交渉が決裂すると裁判になってしまうことを警戒して、担当者も示談金の増額に応じてくれるでしょう。


特に、相場の金額が高額になるほど担当者が提案する金額との差が大きくなる傾向にあります。

そのため、相場の金額が高額になりやすい後遺症が生じているケースでは、弁護士に依頼すると、請求できる金額の増加額も非常に大きくなるでしょう。

弁護士が増額の示談交渉を行うと増額の可能性が高い

適切な後遺障害等級の認定を受けることができます

被害者に後遺症が生じた場合には、後遺症が後遺障害に該当すると認定されると、後遺障害慰謝料や逸失利益などが請求可能となるため、請求できる金額が大きく増加します。

後遺障害慰謝料や逸失利益は認定された等級に応じて金額が異なるため、適切な等級の認定を受けることが重要となるのです。

しかし、後遺障害等級認定の申請には医学知識や法律知識が必要な場面があります。

そのため、知識が不十分な人が後遺障害の発生が不明確な場合に適切な等級の認定を受けることは非常に困難でしょう。

弁護士に依頼すれば、適切な資料の集め方や申請の方法についてサポートを受けることが可能になります。

後遺障害認定の申請について経験のある弁護士依頼し、適切な等級認定を受けられるようにしましょう。

加害者と連絡しなくて済むので治療に専念できます

弁護士に依頼すると、弁護士が連絡の窓口となるので、被害者は加害者と連絡を取らなくて済むようになります。

後遺症が生じるケガは治療期間が長期に渡る重症であることが多いので、被害者は治療に専念すべきです。

しかし、治療中に加害者からの連絡に対応しなければならないというのは非常にストレスになります。

また、加害者からの連絡に対応したくないあまりに、加害者への請求を妥協してしまう恐れもあるでしょう。

そのため、弁護士に加害者との連絡を行ってもらうことで精神的に楽になり、治療に専念することが可能となります。

弁護士費用は安くすることができます

弁護士に依頼する際には弁護士に支払う費用が気になるところですが、弁護士費用特約を利用することで安くすることが可能です。

弁護士費用特約を利用すると、基本的に弁護士に支払う費用のうち相談料を10万円まで、報酬を300万円まで保険会社が負担してくれます。

そのため、弁護士費用特約に加入しているのか、弁護士費用特約を利用できる要件が整っているのかを確認してください。

弁護士費用特約を利用した場合に保険会社が負担してくれる金額について

アトム法律事務所に依頼しよう

弁護士に依頼するのであれば、交通事故案件の経験が豊富な弁護士に依頼すべきです。

過去の経験にもとづいて適切な後遺障害等級認定の申請や、損害賠償金の請求を行ってくれるでしょう。

アトム法律事務所は多くの交通事故案件を扱っているため、バイク事故や後遺障害が生じた事故に関する経験が豊富な弁護士に依頼することが可能です。

被害者がバイクを運転していた事故で後遺症が生じた案件について、以下のような増額に成功した事例があります。

依頼前依頼後増加額
約100万円約380万円約280万円
約250万円約530万円約280万円
約620万円約2300万円約1680万円

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まとめ

  • 後遺症が後遺障害と認定されると請求できる内容や金額が増加する
  • バイク事故では頭部、手足、顔面などに後遺症が生じやすい
  • 後遺障害と認定されるために後遺障害等級認定の申請を行おう
  • 後遺障害と認定されれば後遺障害慰謝料や逸失利益の請求が可能
  • 相場額の請求が認められるためには弁護士に依頼すべき
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監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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